株式投資の初心者にはまず銘柄を購入して投資を実体験しながら、調べていくことが大切です。しかし、どれでもいいといわれても困る人もいるでしょう。実は上場している株式は、銘柄毎にそれぞれ株の値動きのクセがあります。
銘柄の個性によって短期投資家・長期投資家・優待投資家などそれぞれ引き寄せる投資家の層が違うため、銘柄の値動きも異なります。
投資スタイルと選択する株式のタイプが異なっていると、安定して投資をすることができません。自分の投資法とあった銘柄選択をすることが株式投資上達への近道です。
そこで、このページでは初心者を対象として、投資スタイルによってどのような株式を保有すればいいのかについて解説します。
短期取引に向いた銘柄
短期取引をしている人は、取引銘柄に流動性があり、活発に売買されていることが大切です。また短期的な価格変動がなければ儲けが出ませんから一日の価格変動が大きいことが銘柄選択の条件です。
具体的にはIPO直後の銘柄、テーマ株などがねらい目になります。銘柄の情報はリアルタイム性の強いツイッターやヤフー掲示板で得られます。情報発信者が様々な思惑でツイートしているので、その情報の意図を読み取りながら、値動きの流れに乗ります。いつまでも同じ銘柄を取引できることは少なく、次々と銘柄を乗り換えていきます。
業績に比して成長性が加味されている、またはテーマ性が評価されて割高で取引されている銘柄を売買することになります。実績よりも将来の期待への思惑が大きく株価を動かしているため、価格変動が大きくなるからです。
最近のテーマ株となっている再生エネルギー関連銘柄ではレノバ(9519)、ウエストHD(1407)などが物色されています。
配当株狙いの長期投資に向いた銘柄
配当株投資の場合には、あまり値動きが激しくないために、取引頻度も少なく穏やかな売買をする投資家が集まる傾向があります。もちろん長期的には株価の上昇を期待しているのですが、安定的な配当金を求めており、安定配当が出る限りは長期的に保有する株主がおおいです。
こうした銘柄は特集がインターネット専業証券や投資雑誌でよく組まれていますので、簡単に見つけることができます。
会社側もなるべく業績を安定させ、一定の配当金を出すように心がけてくれます。複数の稼ぎ頭となる事業を持っているほか、有価証券も保有しており、業績の好不調にかかわらず一定の業績に合わせてくるのです。
こうした投資をしたい人は、三菱UFJ銀行、住友商事、オリックス、スバル、KDDI、タケダ薬品、JR東日本、東京ガスなど誰でも知っているような大手株をポートフォリオに加えています。また、こうした銘柄を取引する人は配当金目的でJ-REITを購入することも多いです。
小型成長株投資に向いた銘柄
何倍にも資産を増やす可能性のある投資法ですが、成長性が既に株価に加味されており割高な銘柄を握り続けるというハイリスクハイリターンな投資法です。
事業は核となる一つの事業しかないことも多く、その成長速度や市場の飽和に気を配りながら投資することになります。次に紹介する大型成長株にまで到達する銘柄は少なく、いずれ成長は鈍化します。
この投資法では時価総額が300億円未満の小型株で、成長性が高い銘柄が取引の対象となります。絶対的な利益水準が2億、3億という会社も多いため、決算の度に期待感が膨らむ、しぼむということを繰り返して株価が動きます。
投資信託の買いや、売りなどでも大きく株価は動きます。流動性が比較的少ないために大口の注文が入ると株価が一方に動きがちです。
エスプール、Hamee、スマレジといった株が該当します。
大型成長株投資に向いた銘柄
成長株の中でも、途中で止まることなくさらに成長し続けている株です。次第に値動きは安定してきますが、それでも業績が安定した配当株よりも株価が上昇することを期待して投資する投資家が多いです。このレベルになると個人投資家だけでなく、プロの投資家もポートフォリオに組み入れています。
ユニクロ、日本電産、ニトリ、GMOPG、エムスリーなどが該当します。
相場経験が長くなると、好きな銘柄で投資性向がわかる
このように投資するスタイルによって、保有する銘柄が全く異なってきます。相場経験が長くなると、人のポートフォリオを見るだけでその人がどのようなタイプの投資家かがわかるようになるほどです。
また、他人のポートフォリオを参考にするのはいいのですが、自分の属性にあっているか、性格に向いているかも確認してください。自分が向いていない取引手法を取り入れることはストレスになります。
もっとも最初のうちはどのような取引が向いているかはわかりませんので、一通り試してみるのもいいでしょう。
まとめ
銘柄毎に投資手法に応じて異なるタイプの投資家を引き寄せているので、値動きが異なります。株式投資では自分がどのような取引をしたいのかを知って、それに適した銘柄をポートフォリオに加えることが大切です。
株式投資は長期間にわたってつづけるものですから、自分が無理なくできる投資法を選びましょう。
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