来年のことを言うと鬼が笑う、とはよくいったもので、年末年始の株価特集はすべて読むだけ無駄です。個人投資家の我々は何かを仕掛けることはできません。あくまで、起こっていることについて反応していくだけです。
新型コロナウィルスの感染拡大が発生し、それにもかかわらず株価が上昇したという事実を事前に予想できた人以外、将来予測は意味がありません。結局我々はどのようにリアクションをしていくかということの繰り返しです。
偉大なる自然、そして複雑怪奇な政治経済動向に目を配ることは大事ですが、最終的に反応するしかないのです。当たりもしない経済予測、とりわけ株価・為替などの予測が盛んに行われるのはそれを読みたい人がいるという理由以外考えられませんが、とにかく当たりません。誰一人、結果に責任も持たず書かれている文章です。
また当てたように見えていても、当たった時だけ大騒ぎして外れた時の検証がわかりません。予想外の出来事ができたときにも、状況の変化に応じてしなやかに会社の仕組みを変えて行ける会社のしくみを変えて行ける経営者が選ぶ、に尽きます。
究極的には社長がどのような事業判断を下すかということで会社の命運がかわります。今現在の事業ポートフォリオが素晴らしいのは、社長をはじめ現在の経営陣がこれまで考えてきた戦略がハマっているからですが、必ずビジネスモデルに賞味期限があり、もっと大きな視点で見れば世の中は変わり続けているのですから、自己破壊しながらいかに変化していけるかが大事です。
昨今の状況では、新型コロナウィルスが発生してしばらくすると従来の居酒屋業態は政府の自粛要請やセンセーショナルなマスコミ報道により継続が厳しい状況に追い込まれました。
ここで居酒屋業態がダメだと判断した時に、 テイクアウト専門店にするのか業態を変えるのか、はたまた感染拡大予防措置を取って席を間引いて営業しあと数年間はやりすごすのか。既存の状況では客足が戻らないことは明らかなので、そこをどのように切り抜けるか頭を悩みに悩ませて選択肢を取っていくのです。
私の家の周りでも肉料理専門店としてにぎわっていた店がありましたが、新型コロナウィルスが感染拡大し、緊急事態宣言が出るや否や業態をテイクアウト専門に買えたお店がありました。その後そのお店はさらにリノベーションしてラーメン屋に商売を変えています。ラ新型コロナウィルスが感染拡大している状況においても、基本的にラーメンは1人、または少人数で食べるものですし、会話をすることもありません。
なにより、経営者としては情報交換をする中でラーメン業態は手堅いという外食産業の状況、そして新型コロナウィルス感染拡大はしばらく続くという目論見をもって商売替えというリスクをとったのです。
大企業では、居酒屋ワタミが大規模に業態転換をして焼肉のワタミをふやしていますね。最初はパイロット店舗を10店舗ほど出しているだけでしたが、かなり売り上げが好調なのでしょう、体力があるうちに一気に業態転換しています。
確かに焼肉はダストで空気を循環させているイメージがありますし、お客さんが自分で肉を焼いてくれる。そこで更に肉を専用レーンを流して提供することで、店員との接触をなるべく減らすことに成功しています。こうした試みは最初は奇抜な目で見られがちですが、そのうち読みが当たってくることがわかると次々追随する会社が現れますね。
焼肉業態で絶好調な企業といえば焼肉きんぐを擁する物語コーポレーションです。同社の株価は堅調に推移していることをみますと、ワタミが大胆に業態転換を果たしたあかつきには株価のいどころが変わってくるかもしれません。
ここで私が言いたいことは新型コロナウィルスが発生した、ではどうするんだということをちゃんと考えて手を打てると経営者を選ぶのが大事だということです。新型コロナウィルス禍下でどのような対応をとったのか?については決算説明会資料に記載してありますから、そこから企業の対応能力を私は判断しています。
緊急事態宣言すらも言い訳にできないのが企業経営者です。保証金をもらいながら、生き残る会社は次の手を仕込んでいるはずです。投資先を一度選定したら、今は苦しいときでもこれまでの経験からして、投資先の社長はきっとアイディアを生み出して会社を成長させてくれるだろうと信じることが成長株投資では大切です。
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