書評

「10万円から始める!割安成長株で2億円」(弐億貯男著/ダイヤモンド)を読む

今回は、サラリーマンでありながら投資2億円を達成した弐億貯男氏の投資術です。やはり個人投資家の書いた本は実感がこもっていていいですね。

証券業界の人は、世界経済などマクロの話をからはいるので読む方も身構えますが、個人投資家の本は最初から親近感を持って読むことができます。

また、本書は平易な表現が使われているので読みやすいですし、似ているところがあると感じました。以下、同書を読んでの私の書評です。

身銭を切って失敗から学ぶ

やはり成功している投資家は、皆さんおっしゃることが同じ。村上世彰しもいっていました、やはり自分の体験から一つ一つ学ぶしかないということ。どんな著名投資家の本を読んでもそれだけでは意味がないのです。実際に取引してそれから本を読んでやはりそうなのだと確認する、これが正しいステップです。どんなに他人が早く走る方法を教えても、自分で体得しなければ早く走るようになれません。

始める時期が良かった

弐億氏が株式投資を始めたのはバブル後最安値を付けたあたりの2002年。今から20年近く前ですね。私は大学生でのほほんと暮らしていました。学生というのはありがたい立場ですね。

さてこの時期は何を保有しても儲かったでしょう。でも同じ時期に初めて失敗している人も多いわけですから、弐億氏の実力は本物です。

失敗するのが当然

そして最初は投資に失敗するのが普通というのも私の考えと同じです。仕事でもそうですがいきなり最初からうまくできる人なんていません。失敗しながら一つずつ上達していくのです。株式投資でもまったく同じことなのですが、何故か株式投資の場合は一度であきらめる人が多い。

弐億氏も書いていますが、成功する投資家とは、失敗があってもそこであきらめることなくさらに投資を続けた人です。

短期取引で退場になるのはもったいない

ですから、相場から強制退場させられてしまうレバレッジの効いた取引を初心者のうちからやるのは危険です。いや、失敗して再起不能になるのがもったいない。

私は少し投資に慣れたら、資産が少ない段階ではリスクをとって投資すべきと考えていますが、信用取引やFXなどの取引は、小型成長株の現物投資とは別物です。レバレッジの効いた短期取引は小型成長株とは異なる投資の技術が必要で、かつ再現性が乏しいとみています。

弐億氏の投資法に学ぶ

弐億氏は奥様との約束で、追加投資はなしというルールのもと、250万という資産額で株式投資を始めたそうです。そのルールを守ってここまで資産を増やしたのは素晴らしいです。いまでは流石に奥様も認めてくれて追加投資もできるようになっているでしょう。

ただ、私は積極的に追加投資することが株式投資のリスクを下げる方法だと信じていますので、この環境だとうまくいかなかったでしょう。

割高小型成長株を思い切って購入するには、追加資金が精神的な支えになります。まだお金が入ってくるから大丈夫、安くなればまた買えばいい、という気持ちで私は取引しています。

分散しすぎない投資

これも私も同感です。資産を増やしたいと思えば、ある程度銘柄を絞り込んだポートフォリオを作ったほうがいい。1,000万円未満であれば5銘柄程度でいいでしょう。

そうでないとロケットダッシュが決められません。もちろんリスクがあるのは承知の上でお話ししています。

1億円になってもさらに2億円まで増やしたいのであれば、同じように厳選したポートフォリオで投資に臨む必要があります。中・長期の成長株投資であれば、銘柄毎の金額を増やしても、同じ手法でまだ対応できるでしょう。これが短期投資だと、次第に流動性の問題があって、売買高が多い大型株の取引中心、またはFX(外国為替証拠金取引)になります。

現金の使い方

弐億氏は資産の半分を現金で保有している、やはり追加投資ができないのであれば、これくらい保守的で丁度いいのかもしれません。

また、こころの奥底で守りの心理が出てくるものです。今ある資産を保守的に運用して得られるインカムゲイン(配当金)で一生、それなりの生活ができるのです。つまり、これ以上大きなリスクを取るメリットはない。

一方、リスクの高い投資法で株価が下がってしまったら、夢にまで見てこれまで20年も追いかけてきたものが手に入らなくなるのです。そう考えると現金比率をあげてリスクを落としたくなるのは無理からぬことです。

私はまだまだ勝負のステージです

私はまだそのステージには至っていないので、勝負を続けます。そこで私の投資手法では現金比率は2割程度に押さえています。ある程度資産を増やそうと思ったら、どこかでリスクを取らなければなりませんが、最初に取るべきだと考えるからです。

鈍感力が大事

弐億氏は株式の価格変動に鈍感に成れといっています。私も同感で、資産が増えてくると壱日で数十万、時によっては100万、200万と動きます。弐億氏レベルであれば500万ぐらい動く日もあるでしょう。

これは慣れですが鈍感力がないとやっていられません。私も弐億氏と同様に、相場のカネと生活費は全く別物として取り扱っています。一度証券口座に入ったお金は、ずっと証券口座に入れたままにしています。実際のお金という感覚をなくさないと、逆にうまく投資できません。

保有株を売っても新しい株をすぐに買わない

投資家は常に自分中心で株式市場がうごいていると錯覚します。私が買うのだからここが底だと思っているし、私が売るからここが天井と考えているのです。

しかし、実際にはそんなことはありません。その投資家が投資資金を保有しているかどうかは、その銘柄の売買チャンスとはまったく無関係です。ある程度株式というのは一斉に上がり、一斉に下がる傾向にあります。

とすると、首尾よく高値で売却できたと思っても、そこで新たに他の銘柄を買ってしまっては、全体としては高いところでポジションを取っているのと同じことです。小型株はちょっとした相場のショックで半額程度まで株価が下がることがありますから、ある程度過熱感があるところで利益確定をした場合には、しばらく投資資金を待機させておいたほうがいい。

利益確定したお金、という意識が抜けないうちは投資をせず、その意識がなくなったところで再度投資に入ったほうがいいですね。そして、同じ銘柄を安く買い戻しても構わないのです。

財務諸表の考え方

これも私も同意見です。大体の傾向で利益が増えていればそれでいい、という考えです。四季報を完全に読みこめば道が開けるという方もいらっしゃいますが、そんなの一般のサラリーマンには時間もないですし、興味もありません。持続可能なやり方でないとダメです。

財務諸表を読み込んでお金持ちに慣れるのだったら、会社の経理部勤めの方、税理士、公認会計士は皆株式投資で大金持ちです。作る財務諸表と、読む財務諸表は求められる能力が違います。ざっくりとした傾向だけ見ればいいのです。

そして貸借対照表も、増収増益を続けている会社であれば当然財務体質がいいでしょうからあまり重要性はありません。毎年大幅な黒字の家計は、貯金が沢山あって、住宅ローンの金額が減るのが早い、というのと同じことです。

短期投資について

「デイトレード」や「スイングトレード」をやってはいけない

弐億氏は私よりもはっきり短期取引否定派ですね。私は初心者は一度は短期取引をやってみるのがいいという意見です。実際に試してみないと向いているかどうかわからないですし、中には得意な人もいます。ただ、短期取引はどうしても場中をモニターでみながら何度も取引を繰り返しますから、その間本業を持っている方は難しい投資法なのは間違いありません。

取引はあまり長期で考えすぎない

やはりこれだけ移り変わりが激しい世の中ですから、10年後どうなっているか予測することは不可能です。3年程度でしたら注記軽々計画を出している会社もありますし、ある程度会社も予想しながらビジネスを育てていける期間だと思います。また、3年が経過したらその時点で保有を継続するか再検討すればいいのです。

なお、私が10年後まで保有する銘柄に投資するとすれば、もはや財務諸表も何も参考にしません。社長がどれだけ大きなビジョンを掲げていて、そのおおぼらを信じる気になるかどうかです。

株式投資をしない方がリスク

これも私も同様に著書で述べました。結局資本主義社会で生き続けるかぎり、リスクから逃れることはできないのです。大企業勤務やお役所の人など投資と無縁でも生きていけるひとは意識でもいいのかもしれません。

しかし、保有していなかった人は、保有している人よりも資産が少なくなることがあるのは厳然とした事実です。株式が上昇すれば保有している人との差が開く一方です。

よく株価が暴落したらどうしようという質問をされる方がいます。それはもちろんおっしゃる通りなのですが、株を持っていなくて株が暴騰したらどうしようと質問する人は不思議といません。

過去の歴史からすると株式は次第に上昇してきたので、むしろ持っていないリスクの方が長期的に見ると大きいのです。

リスク管理のために取引記録をつける

最近はあまり売買しないのでつける機会が少なりましたが、やはりなぜその取引をしたのかを覚えておくことが大事です。特に損失を出したときは記録しましょう。

取引を開始するときは、将来上昇する可能性が高いと思って仕掛けている。それにもかかわらず損をだした。仕掛けるポイントが悪かったのか、集中投資して含み損に耐えられなかったのか、高値で一部でも売却すべきだったのか。何らかの原因があるはずです。

記録することで同じ過ちをしなくなりますので、その分成長します。私は売買する際に100株単位で少しずつ取引をすることにしていますが、これも過去の反省によるものです。現金余力を持ちながら、ジリジリと小出しに仕掛けることで打つ手を残しておく。損切りしてもいい、追加投資してもいい、様子見でもいい、そんな心境で取引できるポジションの組み方は私にとっては分割売買だったのです。

割安成長株に対する疑問点

弐億氏の著書にはうなづくことばかりですが、一点疑問があるとすると、小型株で割安成長株というのは、株式にお金が流れ込んでおり全般的に株価が高くなっている状況で探すことはできるのでしょうか?

割高成長株というのはいくらでも見つかるのですが、割安となるとそこまで見つけることができません。割安である銘柄は、成長性に乏しく安定配当を狙う銘柄であることが多いです。

株式市場が軟調なときはすべての銘柄が売られ、特に小型株は大きく売られます。従って割安でかつ成長余力のある銘柄がごろごろしているという状況になります。一方相場が復調する過程では、こうした小型の成長株は一斉に買われ、割安感が解消されます。

弐億氏が株式投資を始めた時には、相場が軟調に推移していたためこの手法が大変機能したと思われます。現在は異なる戦略を取っている可能性があることには気をつけて読んだ方がいいでしょう。

まとめ

全体として、私の投資法と似ているところがあり、やはり弐億を貯められた人と投資の仕方が似ているというのは安心します。

もちろん、私が自分で考えた結論が、結果として弐億氏と似ているということです。最初から参考にしたわけではありません。私は本を書くまで弐億の本を読んでいませんから。弐億氏が何度も書いてある通り、結局は頼りになるのは自分の経験しかないのです。

資産2億円は夢がありますね。私も自己実現を目指して、目標に向かって走り続けるぞ、と勇気づけてくれる本でした。

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