投資コラム

経営者はみんな嘘つき

経営者はみんなうそつき

一般のサラリーマンからみると、経営者があたかも先のことをすべて見通して経営しているかのようです。実際には、将来の見通しを語る経営者は、見通しに確信を持っていないのはご存知でしょうか。あくまで将来の見通しはこうなるといいなという希望が込められています。彼らはいわば実現するかどうかわからない未来を語る大ぼら吹きです。

上場したオーナー企業の社長は、その大ぼらを実現させて上場まで会社規模を拡大しています。このページではオーナー社長が大ぼら吹きでなければならない理由と、実際に事業を拡大し、株価を上昇させるオーナー社長の選び方を紹介します。

経営者の仕事は意思決定をすることと、語りかけること

経営者の仕事は、目の前の仕事をこなすではありません。どのようにすべきか手順がすべてわかっている仕事をこなすのは、社長の仕事ではなく、雇用した従業員の仕事です。

成長する社長の仕事とは、将来に向けて事業を発展拡大させるため、リスクをとって意思決定すること。そして、現在実現していない将来の展望を、あたかも実現するかのように周囲に語り続ける力です。

千両役者でなければ務まらないのが社長

オーナー社長は会社の事業を拡大するために常に現状に甘んじることなく次の手を打っています。企業経営は常にライバルとの競争をしていますので、現状維持だけでは生き残ることができません。よって、既存事業のテコいれ、新規事業の開発などを絶え間なく実施していくことになります。

一例として、居酒屋を経営しているのであれば、飽きられないようにグランドメニューをかえる、季節のメニューを取り入れる。また、これまで和風の居酒屋を経営しているのであれば、洋風のテイストを取り入れた業態を開発するのです。

しかしこうした新しい取り組みは成功するかどうかはわかりません。失敗したらどうしよう。借金を返せなくなったらどうしよう。経営者も人間ですから心のどこかにはその不安があります。しかし、経営者はその内心をおくびにも出すことなく、あたかも絶対成功するようにふるまって、従業員を引っ張っていかなければなりません。

リーダーの自信のなさは見抜かれます。自信がないとなると、従業員も経営陣が掲げる目標を達成しようと協力してくれません。自分一人の力ではなにもできず、経営陣以下従業員が目標を達成するよう頑張ってもらえないと何も達成できません。

その意味で、自分のプランの成功を信じ切り目標に向かって走り続ける姿を見せ続けなければなりません。名社長は成功を追いかける役を演じ切る千両役者です。

一代で巨大企業を作り上げたオーナー

オーナーとして一代で会社を日本有数の会社に育て上げた経営者としては、日本電産の永守重信氏、ソフトバンクの孫正義氏、ニトリの似鳥昭雄氏などが挙げられます。

オーナー企業で一代で巨大企業に成長させた社長は、壮大なビジョンをもってその目的を達成するためにおおぼらを吹き続け、従業員を鼓舞して実現してきたのです。とんでもないペテン師です。しかし、成果がでて現実に企業がおおきくなれば、名経営者として称賛されます。

成功した段階から過去のことを振り返るときには、確信があったかのように体験談を話しますが、道中はどうなるか経営者にとってもヒヤヒヤで、危ない橋を実はわたっていたというのはよくある話です。

成功するオーナー企業の見分け方

それでは、どのようにして大ぼら吹きの経営者の中から、会社を成長させ続けるオーナー企業の社長を選べばいいのでしょうか。

それは過去の事業成績をみて、売上、営業利益、経常利益が伸びている会社かどうかをしらべればいいのです。投資家からみた会社の経営者の評価は、どれだけの利益を会社にもたらしたのか、の一点で判断できるからです。

利益が大きいということはそれだけ売り上げが大きい。そして売上を上げるためには多数の従業員を雇用し、力を合わせて事業を展開することが求められます。商品を購入する顧客、従業員の力を借りながら成長している証拠です。

したがって、毎年利益の額を増やし続けている会社は事業を拡大することにより社会貢献をしていると判断できます。

グリムス(3150)の場合

例えば、グリムスの社長、田中正臣氏のケースをみてみましょう。同社は中小製造業などへ電力料金削減を提案、電子式開閉器を販売。さらに、太陽光発電設備から電力小売りを展開しています。同社の利益の推移は以下になります。

(グリムス2021年3月期 第2四半期決算説明資料より抜粋)

図はグリムス(3150)の過去15年に渡る成績です。売上高、営業成績共に右肩上がりとなっています。田中社長は営業につよく、自社の事業を電力関連事業で拡大するという夢を持っていました。それをここまでは確実に大きくしてきたのです。

増収増益を続けていることにより、株価も上昇しています。

(SBI証券ウェブサイトより抜粋)

まとめ

企業経営者は将来の不確実な出来事を、あたかも必ず実現するかのように振る舞い続けなければなりません。株式投資で儲けるためには、これまで掲げてきたビジョンを実現し、増収増益を長年達成してきた経営者を選ぶことが重要です。

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