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日本KFCホールディングス(9873)の銘柄解説

オリジナルフライドチキンが有名なケンタッキー。株主優待銘柄としても人気がありますけれども、実際に投資対象先としてはどうなのでしょうか?優待目的で投資するとしても、会社のことを知っておいたほうが安心して保有することができます。

株価が下落してきたときにそれは顕著に表れます。知らない人は株価だけを見ていますから、株価が下がると苦しくなりますが業績面も含めてチェックしている人は、株主優待があることもあり心が揺らがないからです。

そこでこのページでは、日本KFCホールディングス(以下「KFCHD」といいます)の株が気になっている人向けに、ケンタのビジネスモデル、業績の推移、株価水準などを解説します。

日本KFCホールディングスの歴史

ケンタッキーは1970年に一号店がフランチャイズで登場しています。ケンタッキーはフランチャイズを取り入れて成長します。1973年に100店舗を突破、1980年に300店舗を突破。1990年には900店舗を数えています。店舗数はこのころから伸びが収まっていますね。

1990年には東証二部に上場しています。そして、いまだに東証二部です。

なお、フランチャイズとは、ブランド使用権・ノウハウを加盟店に提供して、加盟店から一定のロイヤリティを受領するビジネスモデルです。

実は上場しているKFCHDは、直営店とフランチャイズを束ねるホールディングス会社です。ホールディングス会社の参加に直営店舗をマネジメントする会社や、フランチャイズをマネジメントする会社がぶら下がっています。

店舗数

直営店舗が約300、フランチャイズが約840。フランチャイズのほうが多いですね。やはり規模の拡大を図っていく上では、フランチャイズ加盟店を募るほうが合理的です。

業績低迷の果てに原点回帰

かつてケンタは業績が伸び悩んだ際に様々な施策を打ったことがあります。チキン以外にも手を出したことがあったのですが、ことごとく失敗しました。結果業績は伸びず、株価も低迷を続けます。

ただ、このプロセスはケンタッキーの成長に必要でした。チキン以外のビジネスを様々展開しても、結局ケンタッキーはチキン屋にほかならない。高くてもおいしいオリジナルチキンを味わう店というブランドイメージが中高年層に定着していたのが幸いでした。

まずは基本のレシピに忠実に

オリジナルチキンをレシピどおりに忠実に作る。これまで店舗によって作り方が徹底されていなかった部分がありましたが、スーパーバイザーが加盟店舗を指導して回り、オリジナルチキンの調理レベルを徹底します。

まずこのプロセスを徹底する。そのうえでどのように商品の魅力を顧客に伝えていくかが課題となりました。

マーケティング戦略を変えて大ヒット

そこで、外資企業でマーケティングキャリアの長い中嶋祐子氏がチーフマーケットオフィサー就任し、ケンタッキーのマーケティングは変わりました。

高畑充希をCMキャラクターに採用したのは一つの変化でしょう。「今日ケンタッキーにしない?」というセリフとともに、様々なシーンで手軽に食べられるケンタッキーを提案しています。

それまでケンタッキーはハレの日に食べるものというイメージが定着しており、特にクリスマスにケンタのチキンを食べるという、アメリカ人が聞いたらびっくりするような習慣が文化として根付いています。

12月に売り上げが急増するのですが、それ以外のシーンでも手軽に食べてもらいたいという想いから、イメージ戦略ですこしずつ消費者の脳裏に、マクドナルドと同じようなシーンで食べるものという印象を与えています。

ランチメニューのテコいれ

さらに、平日のランチは特別価格のメニューを用意することで、まずマックと比較対象してもらえることを狙いました。高級感がありすぎると、手ごろに済ませたいときに選択肢に入らないのです。

が、これは社内でも意見が分かれる施策だったようです。これまで長年かけて築きあげてきたブランドイメージが悪くならないか、という意見と、顧客の来店頻度を上げるためのプロモーションと割り切るべきという考えが対立したのです。

結果的には、夜営業で大きな収益を稼ぎ出す飲食店が、昼間廉価にランチを提供することで食材の有効活用と、店舗の知名度向上を狙うのと同じ戦略をケンタは採用しました。ここまでのところはこの戦略があたっています。

ゲーム感覚のアプリ

ヘビーユーザを取り込む仕掛けの一つとして、ケンタもマイレージシステムを導入しています。肉マイルを導入して一世を風靡したいきなり!ステーキをまねして、最近ではマイレージシステムをアプリで導入する会社が増加していることを受けて、マーケティング手法として取り入れたものです。

具体的には、ケンタで注文するごとにマイルがたまる仕組みになっています。来店ごとに100マイル、そして商品を頼むごとに250円ごとに100マイルたまる仕組みです。例えば私のマイレージを見てみると、このようにたまっていきます。

ランクはレギュラー→シルバー→ゴールド→プラチナとランクアップしていきます。ゴールドからプラチナになるまでには、少しチキンのアクセルを踏みこみ、胃もたれの代償を払うことになりますがファンなら乗り越えられる壁でしょう。

セットメニューでオトク感を演出

こうしたクーポンはかならずドリンクやポテトのセットの組み合わせで安くなっています。マクドナルドもクーポンをアプリで配っていますけれども、全く同じ手法です。

ポテトやドリンクの原価率は低く、ハンバーガーやチキンの原価率は高い。単体でチキンやハンバーガーを注文されるとあまり儲からないので、メイン商品単体が割引になるようなクーポンは提供しません。

必ずポテトやドリンクといった原価率が低い商品と抱き合わせでクーポンを配布します。値下げ幅があるのはこれらのサイドメニューがあるので当然なのですけどね。この背景がわかれば、ほかの会社でも同じことがわかります。

ポテトやドリンクなどのサイドメニューは販促で使いやすい、ということですね。昼食に出かけるときに個人がやっているこじんまりしたレストランでクーポンを出しているところも大体、ドリンク一杯無料というケースが多い。すべて原価率を考えると自然に答えがでてくるのです。

利用されている肉へのこだわり

食の安全・安心を追求するケンタでは、国内産のチキンにこだわっています。全国200以上の契約飼育農場が日本中にあり、安定的にチキンの供給が得られる体制になっています。

生産から製造まで一貫して自社ルートで生産することで、商品の安全性を維持しています。同社は創業より三菱商事と深い関係にあり、そのルートで安定的にチキンを仕入れることが可能となっています。

ケンタッキーが使っているのは生後40日前後の鶏で、飼育するのが難しいと言われています。安定供給ができるのは鶏肉に強い三菱商事のバックアップがあるからです。

それから、全国各地に契約農場を分散しているのは、鳥インフルエンザなどで特定の地域から鶏肉が仕入れられなくなった場合、台風や洪水などの天災リスクとして想定しているためです。

 

株価動向

株価はケンタの業績改善期待が高まった2019年に大きく上昇していますが、その後は新型コロナウィルスの影響で元の水準まで戻ってしまいました。そのごは安定的なビジネス環境が評価されて株価は3,000円前後の水準で推移しています。

株主優待の人気が高い銘柄に特有の値動きで、ニュースがない時にはかなり価格変動がゆるやかになります。購入するチャンスとしては外部に突発的な悪材料が発生(直近ではコロナショックなど)した場合には、連れ安で株価が弱含みますから購入の好機がやってきます。ただ株価が実際に下がってくると、恐怖心が邪魔をして購入できないこともあります。

コロナには無類の強さ

飲食店は新型コロナウィルス前後でビジネスモデルを大きく変更せざるを得ない店舗がたくさんあるなかで、ケンタはテイクアウト需要がそもそも多い業態です。したがって、あまりダメージを受けていないどころか、テイクアウト需要の追い風に乗って業績はプラスで成長しています。

ケンタで注文して食べる量というのは大体一人当たり決まっていますから、あとはどれだけ来店を促すことができるか、のほうが勝負です。祝い事、パーティでの需要は安定しているもののすでにある程度そのマーケットはとっていますからね。

業績もコロナ前後で変わらず、むしろ加速しています。

株主優待

ケンタを保有している人は株主優待に興味がある人も多いでしょう。ケンタでは、保有株数に応じて株主優待を得ることができます。ケンタの決算月は3月で、3・9月の権利確定日に株を保有している人は、保有株式数に応じて株主優待をもらうことができます。

ケンタッキーは少し単価が高いので、少しでも安く食べられると嬉しいですよね。水準を見ても特に無理をしてい出しているわけではなく、株主優待が広告宣伝およびロイヤルカスタマー育成に役立っています。統計はありませんが、ケンタの株主は一般の消費者よりもチキンを購入する回数が多いはずです。

来店頻度が高まれば、何を食べようかなと思ったときに候補として挙がってくるからです。皆さんも迷ったときに、どこで何を食べるか考えてみてください。時間がかぎられているときにはとりわけ、ド新規の新しいところではなく、いつも利用している店舗のなかから選びませんか?株主優待を付与することで、顧客のすそ野を着実に広げる効果があるのです。

また、株主優待を保有している株主はめったなことでは売却しませんから、株価が安定する傾向もあります。分散し、かつ長期的に保有している株主・株価の維持は企業にとって重要な課題です。以上からケンタが株主優待を廃止する可能性は少ないです。

まとめ

ケンタは様々な取り組みを重ねることで、自分の強みであるケンタの味を全面に押し出し、堅調に売り上げを伸ばしています。新型コロナウィルスでウーバーイーツなどのデリバリー需要も取り込んでおり、業績は上向きです。

基本的には店舗数当たりの売上高はきまっており、新店舗を次々にオープンするという新しいフランチャイズではありませんから、来年からすぐに当期純利益が2倍、3倍になるというのは考えにくい。一方で、下値では株主優待狙いの買いが入りやすいので、今後も安定した値動きで推移することが見込まれます。

 

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