一流になる必要はない、サラリーマン投資家は二流を目指そう
株式投資とは技術であり、技術である以上体系的に学習すれば、習得することができます。日本では学生時代に金融教育が全く行われていないので、投資だけは難しいもの、投資の能力を身に着けるためにはすさまじい努力をしないとなれないと勘違いする人がいます。
しかし、それは間違っています。今回は、株式投資を生業としていないほとんどの方、いわゆる兼業投資家は、投資技術についてもほどほど上達すればいい理由について説明します。
必要な限りで株式投資の知識・技術を習得すればいい
技術の習得と一口にいっても、どのレベルまで到達するかで努力すべき量が違うのは当然です。水泳でも、25メートル泳げる、1キロ泳げる、その他競泳で泳げる、オリンピックに出場するのでは習得すべき技術のレベル、そして費やす時間、お金が違います。
兼業投資家で資産を作るというのは、水泳でいえば競泳選手になることではなく、1キロゆったりとおよげる、程度の話です。投資でいえば、本業でメシを食っていくのではなくて、あくまで本業は別にあり、資産運用を長期的にやっていくレベルに達することを目指せばいいのです。
仕事だって技術の習得だ
このブログを読んでいる方は社会人経験が長い方ですから、それなりの地位について社会でご活躍されている方も多いと思います。
そんな皆様が社会人になりたての方に、仕事の覚え方についてどのようにアドバイスするでしょうか。具体的な内容は業態によって違うでしょうが、一つ一つ焦らず覚えていけばいいよとアドバイスすると思いますし、一年で完全に習得するなんてできないから、基礎から習得するべしという目でまずは見守ると思います。
そして、すごくできる人になるか、凡人で終わるか、それとも出来が悪い人になるかはその人次第ですが、数年働けば少なくとも働くことで生活のためのお金を稼ぐことができるレベルには到達します。
一般の投資家が目指すべきところは、投資においてもそのレベルです。そして、投資の知識を正しく学べばそのレベルに到達することができます。あとは個人が設定した目標、1,000万円、2,000万円、3,000万円というそれぞれの目標に向かってひたすら続けるだけです。
一般の投資家は二流投資家を堂々と目指せ
我々一般人は、投資に回せるお金も限られていますし、証券分析に使える時間も限られているはずです。でも安心してください。一般人は、投資家としても凡人で十分なのです。凡人を他の言葉でいえば二流でしょう。意気揚々と二流を目指しましょう。
逆に考えてみると、一流を目指すのはコストパフォーマンスが悪いです。テストでいえば70点とれるようになりましょう。80点、90点を目指すと、それだけ学習する時間が増える割には点数が上がりません。
投資でも他の技術と同じように、一定の技能に達すると、以後学習に見合った成果が出なくなります。それなりの実践を積むことで年間10%~15%の利回りは取れるようになるかもしれませんが、毎年40%や50%も資産を増やすことはごく限られた人にしかできません。
無理にできないことを追い求めるのではなく、できることだけを淡々とやるのが投資で勝つコツです。
二流の投資家とは何か
さて、二流の投資家とはどのような状態なのでしょうか。それは、ズバリ負けない投資家になるということです、粘り強くあきらめの悪い投資家になることです。
もっと具体的に言えば、やってはいけないことをやらず、短期的に儲かっていても、損していても気にせず毎月余剰資金を証券口座に入れていく。先行きの成長が見込める銘柄をほどほどの価格で買い続ける。
他人が投資を始めると聞けば、そろそろ相場が過熱してきたかな?と心配し、相場が悪いときには安く株を仕込むことができるチャンスがやってきた、と生き生きとして投資できる人のことです。
二流の投資家だって、時間をかければ、ゴールには近づく
資本主義である以上、通貨の価値は下がっていき、株式や不動産の価値があがっていくのですから、株式投資をつづけることで少しずつ保有する株式の価値が増えていくはずです。二流の投資家だって、お金をコツコツ投資していれば、次第にタネ銭が膨らんでいきます。
私も投資家としてまだまだレベルは低いですが、それでも続けているから、少しずつジリジリと当面の目標である1億円というゴールに近づいています。
毎月の給料天引き+ボーナス投下+配当金+貸株+優待+企業の自然成長というフォローの風にのって、短期的にはマイナスになることがあっても少しずつ前に進んでいるのです。
ただし、一定期間だけ集中して投資に向き合う
二流の投資家を目指すべき、過度に気負って勉強する必要はないといっても、技術を習得する過程では少し自分にプレッシャーをかけて勉強・実践をする時間を取ったほうがいいでしょう。
体系的に投資の基本を学び、それを実践するというプロセスを何回も繰り返すのです。一度聞いたぐらいでは頭に入りませんし、ましてや行動に移すことは難しい。
投資家になるというのは生活習慣を変えるのと同じですから、飲み込みが早い人でも3か月、普通の人でも1年程度は基本的なことを繰り返し頭に刷り込み、行動に移すというプロセスがどうしても必要です。
そして自分で経験を重ねることで、先達のアドバイスが腑に落ちるのです。利益確定の重要性、待つことの重要性、財務諸表をチェックする重要性など、投資しない状態で本やセミナーにいくら出ても頭に入りませんし、個人投資家として血肉になりません。
まとめ
株式投資は技術の習得です。長期投資には投資家としてのセンスは不要です。後天的な努力で十分人生に役立つだけの知識を得ることができます。
毎年とてつもないパフォーマンスをたたき出す一流投資家になる必要はありません。兼業投資家は、本業で稼いでいるという圧倒的な強みがあります。二流投資家としての道を究めましょう。
毎月の家計から投資用資金を振り分け、そして年間での投資可能額から10年後、20年後に到達可能な金額を見積もって、あとはその金額に達するまで株式投資を続けてください。
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