投資コラム

株式投資も技術の習得が大切

 

株式投資が上手になるとは技術の習得です。そして、技術の習得には一定のプロセスがあります。

技術の習得のプロセスにおいては、まずは理解して、次におっかなびっくりはじめて、危なっかしいながらもできるようになり、そして最後はあたかも息を吸うように、自転車に乗るように意識しないでもできるという道筋を例外なくたどります。

株式投資が上手になるためには、投資の基礎的な知識を学ぶことはもちろん大切ですが、失敗してもいいので数をこなして取引になれていくという実践経験も大切です。

技術は習得することができる

我々が覚えたいと思うほとんどのことは、練習して身に着けることができます。スポーツ・語学・芸術など、一定の基準までは適切なトレーニングを受けることで習得することができます。

もちろん、プロのレベルになるには、どんな分野でも相当の練習が必要となりますが、楽しむレベル、役に立つレベルにはそこまでの練習は必要ないでしょう。

仕事を覚えることも技術の一つ

また、仕事も技術の一つですから、適切なトレーニングを積むことで、一定のレベルに到達することができます。社会人経験が長い方ならば、わかる感覚だと思います。振り返ってみると当たり前にできることも最初はできなかったはずが、長い間の経験によりいつの間にかできるようになっているのです。

・もちろん、株式投資も習得することのできる技術の一つですので、練習することで一定のレベルまで到達することができます。一定のレベルとは、兼業投資家として、時間をかけることで自分の人生を豊かにする程度の十分な資産を形成できるということです。

技術の習得は理論と実践

技術を習得するには、理論を学び、その理論を実践して身に着けていくというプロセスをたどります。

理論はいわゆる勉強の要素が強いものですから、実際に株式投資をする、しないにかかわらず学習する人がそれなりにいるのですが、株式投資の実践となると数が減ります。理論を学んで実際に投資する人は、私の体感では10%~20%にしかすぎません。

なお、理論だけで実践をしていない人はすぐにわかります。話が理論に終始して、個人的な体験談が全く出てこないのです。マクロの話ばかり(政治・経済・為替など、メディアが取り上げる世の中のおおきな流れのこと)を好む人は、大体議論好きの投資嫌いです。

株式投資の実践とは何か

私は長期投資をメインとしておりますので、さらに長期投資における実践とは何かを考えてみます。

長期投資の実践とは財務諸表を読む、会社社長のインタビュー動画を探して見る、会社が提供するサービスに触れてみる、投資のことを考える習慣をつける、株主総会に出席するといったことが該当するでしょう。業界関連の本を読んだりすることもヒントになったりします。

投資したあとは、投資先の会社の事業の状況を定期的に確認して、必要に応じて買い増し、売却をするという習慣も含まれます。

もちろん証券取引に関する知識も必要でしょう。ただ、これらは取引している間に自然に身についていくものですし、必要以上の細かい話は学ぶ必要はありません。

損した経験から学ぶ

自分の大きく儲かった、損したという経験も大切です。例えば、値段だけ見て投資判断をしてしまい、もっと大きな相場を取り逃がしたとか、私が経験したように、TATERUの不祥事のように回復の見込みのない損失が継続することが予測されるにも拘わらず、潔く損切りをしなかったといった経験です。

それから成功した経験は、基本的には役に立たないということを覚えておいてください。儲かった場合は投資プロセスよりも結果として増えたお金のほうに注目が行ってしまうものです。

儲かっているのに使わないという精神力を身に着ける

投資で儲かったお金というものは不思議なもので、自分の中で散在してもいいお金として区分してしまうようです。本来お金には色はつかないのですが、儲かると気分が高揚してあっという間になくなってしまう。

株式投資でひと財産を作りたいのであれば、貪欲に利益を増やすことを望みながら、必要以上の物欲を持たないという、相反する心理状態を身に着ける必要があります。

理想的な状態は利益確定にも損失確定にもなんらの感情も発生しないこと、売買は資産を増やすための一つのステップにすぎないと割り切ることです。私はまだ投資の結果に何の感情も持たない、というレベルにはまだ到達していません。

株も現金も資産という意味で同じカテゴリーにはいるもので、株式が値上がりしたというのは現金が値下がりしたことと同じというのが、まだ頭ではわかっているのですが、完全には腑に落ちていません。

回り道をして、やっと自分のスタイルが定まる

・私は、これまでの経験を通じて、長期投資というのは企業が生み出す収益や配当金を考えると5割よりも勝率が高いということを信じています。

そこで長期投資に特化することにしましたが、過去には手っ取り早く儲けようということで短期投資に挑戦したこともありました。短期投資が上手な方は資産を増やすことができますが、やればやるだけ損失が膨らんでいきますので、自分には向いていない投資方法だということがはっきりとわかりました。

損をしてもいいから、まずは挑戦してどの投資スタイルが自分に合っているのかを探してください。

投資に絶対の正解はない

投資には、数学のような絶対的に正しい投資手法はありません。短期投資と長期投資、個別投資とインデックス投資、株式投資と債券投資。どれをどのバランスで投資するか自体正解はないでしょう。

それに経済的におかれた環境が十人十色で違うので、同じ投資戦術を取ることはできないのです。20代の人と50代の人では残された時間が違うので、株式に振り分ける金額に違いが出てくるでしょう。本業の所得から振り分けられる金額もたとえ同じ金額だったとしてもライフステージによって違うでしょう。他人と比較するのは意味がないので、投資は自分との戦いです。

やはり、自分なりの投資法を考えることにつきる

そう考えると、やはり繰り返し失敗をしているうちに、このやり方がうまくいく、この銘柄は取引しやすい、いやそもそも個別株は向いていないからETFだ、など自分の経験に基づいてそれぞれの道を選択するというほかないです。

一番自分に向いている方法を見つけるまでは、遠回りをすることもあるかもしれませんが、それも上達に必須のステップだと割り切って、さっさと失敗してしまいましょう。

株式投資は特別な才能はいらない

瞬発的な判断力、冷静な損切りが求められる短期投資と違って、長期投資には特別な才能は必要ありません。

また、本当に才能がないのであれば、個別銘柄投資をあきらめてETFに投資すればいいのですから、投資センスは本当に関係ありません。

日々の生活から一部をとっておいて投資に回すこと、自分の過去の経験や調べた情報を元に信じられる経営者に資産を託すつもりで株式を購入すること、四半期ごとに経営状況を確認すること、この3つを淡々と繰り返していくことにセンスはいらないのです。

練習としても100万円はほしい

金額は少しでもいいですが、3万円や5万円などあまりにも少ないとそれはそれで緊張感がなく、金額を増やしたときに同じように運用できなくなってしまうという恐れがあります。

短期投資でも、長期投資でも100万円があるとそれなりの緊張感がうまれます(短期投資の場合は信用取引が利用できますので、必ずしも現金で100万円が必要とは限りません)。

それにあまりにも金額が少なすぎると複数の銘柄を購入することができません

まとめ

株式投資は技術の習得ですので、兼業投資家として資産を形成するという技術も習得できます。短期投資とちがって、長期投資には瞬発力のようなセンスは必要ありません。

個人的には、相場に張り付く必要がない長期投資が好きなのですが、最初は様々な投資手法を試してみて、自分にうまくいくやり方を探してみてください。

30万円(短期投資)~100万円(長期投資)ぐらいから始めてみることをお勧めします。

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