セミナーのおさらい
昨日、中高生向けセミナーを予定通り実施しました。東京都含む一都三県に緊急事態宣言が発令された直後でしたが、受講者の皆様に来ていただきました。ありがとうございました。
セミナーにおいては、毎度本音で話していますが、今回は銘柄探しのポイントについてお話ししました。
ピックルスコーポレーション(2925)
私のような個人投資家が銘柄探しをする場合には、普段の生活から投資のヒントを探すことが大切です。セミナー中挙げたのはピックルスコーポレーション(2925)。
この会社の名前を聞いたことがなくても、同社の看板商品「ご飯がススム」は知っている人が多いでしょう。このキムチは私もたびたびこのキムチを何気なく買っていたのでそこから同社に興味を持ったのです。
(ピックルスコーポレーションウェブサイトより)
単体で食べるのもおいしいですが、まさにごはんと合わせるとおいしさが倍増するキムチ。こんな商品を作っている会社は、株式投資としては投資価値があるのか。いつものようにSBI証券の四季報のページを開いて調べます。
(SBI証券提供:四季報情報)
そうすると、過去数年間で見事に増収増益が続いています。
さらに調べてみると、キムチの市場は縮小傾向にあることがわかりました。ビジネスの競争とは相対的な強さで勝敗が決まります。縮小しつつあるキムチの市場には、強いプレーヤーがこれから入ってくる可能性は低く、同社は引き続き利益を上げやすい状況が続くのです。
これを調べていたのが購入する1年ほど前2019年中頃でした。その時は株価が伸び続けており、購入することにややためらっていました。
しかし、そこで2020年2月にコロナショックを株式市場が襲います。ありとあらゆる株式が暴落したタイミングで、私はピックルスコーポレーションを購入しました。まだ、下がるだろうと踏んでいたために100株しか買いませんでしたが、買ったことには変わりありません。その証拠が以下になります。
東急電鉄(9005)はコロナで逆風
一方、新型コロナウィルスの影響で、鉄道株については一時割安と判断して購入したものの、緊急事態宣言後の状況を見て売却しました。
大企業がテレワークを活発化させており、今後鉄道事業は衰退傾向になることが予想できたからです。自分自身がテレワークを経験する中でも、こうした流れは止まらないと確信しました。
また、オンライン授業も当初は実際に顔を併せないことの問題点、家族が同居する中でスペースを作ることの難しさなどが指摘されていましたが、どんな環境でも慣れてしまうのが人間というものです。いまではすっかりオンライン学習も定着しています。
当初はコロナが収束して早期に以前の体制に回復するかもしれないと思っていましたが、ここまでテレワークやオンライン学習が急速に浸透し、2~3年間このままだとすると社会はもう元には戻りません。鉄道各社のビジネスの前提が完全にくるってしまいます。
おまけに鉄道の車掌は車内アナウンスで「時差通勤やテレワークにご協力をお願いします」と国土交通省からのお願いを無機質に読み上げ続けています。テレワークがつづいたら鉄道事業に完全にマイナスでしょう。
お上からのお願いとはいえ、不利なアナウンスを毎日流さざるを得ないというのはビジネスにとってマイナスの状況です。しかも鉄道運賃は許認可制度になっていて、客が半分になったからといってその分運賃を2倍に上げることができません。当面厳しい状況が続くわけです。実際に株価も低調です。
こうしたことから私は地元の東急株をコロナショック時に購入しましたが、2020年の夏に売却しました。その際の売買記録は以下になります。
なお、東急電鉄は東急と社名を変更しています。昔から幅広く事業を展開している会社でしたが、不動産開発など事業範囲が広いことを示すために「電鉄」という名前を落としています。
鉄道事業は、安定的に収益を稼げる半面で設備投資に多額の費用が掛かります。鉄道の線路維持、車両の購入、駅の増改築など。これらは銀行からの借金で賄っていることがおおく、赤字だからといってすぐに商売替えすることはできません。
仮に商売替えしようとしたら、設備投資がすべて価値がなくなってしまい、借金を返せなくなってしまいます。コロナで社会が一変したからといって、IT企業のように身軽に業態を変えるわけにはいかないのです。
会社が儲かるようになると、配当金が増える
また、配当金の話もしましたね。いい株というのは売り上げが上がっていき、利益も上がっていくものです。利益が増えると、その中から会社は配当金を支払ってくれます。配当金が増えれば、その利回りから逆算して株価の位置が変わってくるのです。
年間1株あたり10円を出してくれる会社があり、今平均的な配当金の利回りが2%だとすると、株価は10(配当金)÷0.02(利回り)=500円(株価)という計算になります。
この企業が10年後成長して100円の配当を出してくれる会社に成長し、市場の平均的な灰と利回りも変わらないとすると、株価は100(配当金)÷0.02(利回り)=5000円(株価)と、株価も10倍に上昇する計算になります。
グリムス(3150)は会社が儲かっているのにつれて、配当もどんどん増えていますね。
もちろん、市場には様々な参加者がいて、その時々の社会情勢や景気などで大きく上下に株価がうごきますから単純には言えませんが、会社が儲かれば儲かるほど株価が上がりやすいということだけは覚えておくといいですね。
また続きます。
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