投資コラム

株主優待目的で株を買うなら3か月前に買うべき理由

 

株式投資の魅力の一つに株主優待があります。本格的な株式投資は難しそうだし、損するのも少し怖いけれども、株主優待がもらえる銘柄ならば投資を始めてみたい、という初心者は多いです。

株主優待でもらえる商品・サービス券・割引券などを金銭換算すると大したことありませんが、馬鹿にすることなかれ。

株主優待さえもらえればそれでいいという無欲が利益確定を遅らせて、さらなる大きな利益を得ることができたり、含み損の時も淡々と耐えることができる原動力になるからです。

では、株主優待はどの時期に購入すればいいのでしょうか。それは3ヶ月前というのが私の結論です。このページではその私が考える理由についてお話します

買ってからすぐに優待をもらいたくなるのが当然

皆さまは株主優待をどのタイミングで買うでしょうか。初心者にありがちな行動は、権利が付与される月と同じ月に購入してしまうことです。

例えば、3月末の株主優待がもらえるとなると、3月に入ってから株主優待を探すという具合です。オリエンタルランド、オリックス、カゴメ、キユーピー、ANA、JAL、KDDI、ヤマダ電機など人気のある株主優待がズラっと並んでいるので、その優待欲しさについつい買ってしまうというのはよくあることです。

私も、初心者のころは、そのように権利付売買の最終日直前に株式を購入して、配当金と株主優待の権利をとったものの、その後株式が値下がりして、塩漬けになったことが多かったのです。

値下がりしても、まあ優待ももらったことだし、しばらく保有しておけばいいやという気持ちで保有を続ける。そして、株価が値上がりしてきたところでトントンで売却する。

もちろん、株主優待の権利付き売買日が近づいてきたところで、すぐに株式が欲しくなるのは当然です。

直前に買いたくなるのは普通の心理

なるべく今すぐ成果を出したいというのは、本能に近いレベルで埋め込まれた通常の心理です。普通に新聞や投資情報誌などを見ていると、3月中に買って、三月末に配当金や株主優待の権利をもらいたくなるのです。

しかし、そう考えてるのはあなただけではありません。株主優待をほしいと思っている他の投資家も同じように3月に仕掛けて株式を保有しようとします。

魅力的な株主優待が付与される株式の値動き

そして株主優待を短期的に取得することが目的となっている株主は、優待の権利を取得後には売却してしまいます。そうすると株価はどういう価格変動を描くか。

2、3か月前、あまり株主優待が意識されていないところから、次第に株主優待がほしいという株主が増えてきて、株価を少しずつ押し上げていきます。そして、株主優待の権利が付与される権利付き売買最終日の数日前でピークを売って、権利落ち日以降は株価が弱含んでいくのです。

人気がある株主優待を発行している会社ほど、この傾向が大きくなります。ですから、直前で買って売却した場合には株主優待の比ではないほど、損してしまうことがあります。

例えば株主優待が3000円する権利を取るために1万円損するということが起こってしまいます。

3か月前から優待銘柄の仕込みを始める

では、これはどうすればいいのかということですが、一つは株主優待の現物買いと信用売りの両建てを使う方法があります。これについては後日説明しますが、価格変動リスクをとることなく株主優待を取得方法です、しかしこれは逆日歩(株券を借りて信用取引で売る際にかかる借入コスト)で思わぬコストが発生することがありますので必ず儲かる方法でありません。

もう一つの方法、現実的な方法としては、株主優待が付与される2か月前、3ヶ月前から株式を購入しておくということです。この場合は資金効率が落ちますけれども、株主優待による買付けの影響を受けないで株価格形成されているところから買うことができますので、株主優待の権利落ちにはあまり影響されません。

もちろん、必ず株価がこのような価格変動をたどるということではありません。例えば、2020年3月はコロナショックで株価が一斉に、業績を問わず大きく下落しました。

しかし、傾向としてははっきりとあることが言えます。

2単元(200株)買うのも手法

2単元、つまり200株を購入するというのも一つの手です。100株については、株価が自然に上がってきたところで売却する。そして、もう100株は株主優待の権利をとったあとに売却する

必ずしも儲かる方法とは言えませんが、株主優待が欲しい人の心理を生かした投資法の一つであると思います。

初心忘れるべからず

是非、あなたが今株主優待を欲しいと思っているその心境というのを覚えておいてください。株式投資をして、しばらくたつと株主優待だけでなくて売買益や配当金を得ることが本筋だということにだんだん気が付いてきます。

そして、株主優待に初心者のころのような興味を失ってきます。しかし、そのように株主優待に興味を持っている人が多いという事実を知って覚えておくとこうした投資法も素直にすることができるでしょう 。

2、3ヶ月というのは長いかもしれませんけれども、どうしても株主優待が欲しいということであればこうした投資法を検討すべきです。

 

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